Interview #1
NISHIMURA
YOSHIYUKI
プロデューサー 2011年

― 経歴を教えてください

出版社、TV制作会社を経て2002年よりフリーランスになりました。
その後ディレクター、放送作家として活動し2011年にロントラ(株)を設立しました。

― 現在の仕事内容は?

プロデューサーとしてBS朝日「With」「スポーツクロス」等を担当しています。プロデューサーの役割は企画書を書き、番組が成立したら、出演者やスタッフ編成、予算など、番組の大枠をまとめます。スタッフが番組を進行していきやすいように、先行して道にレールを敷いておくようなイメージです。そう考えると、鉄道の仕事に似ているかもしれません。
いざレールを敷き終わったら、レールの上を番組が走りはじめます。運転士はディレクター、車掌はアシスタントディレクター。ここからはクリエイター陣の腕の見せ所です。
運行はクリエイター陣に委ねますが、プロデューサーとしては、列車が時間通り運行しているか?乗客は安全に楽しんでいるか?案内表示はわかりやすいか?目的地に向かって走っているか?などなど客観的な立場から点検しつつ後方支援をしていきます。

大事にしているのは、スタッフや出演者の方々との意思疎通です。みんなが気持ちよく仕事ができれば、番組も快調に走ります。そうして作り上げた列車に、お客さんがたくさん乗ってくれるようになれば、人気路線になりますし、誰もお客さんが乗ってくれなければ…。

― どこにやりがいを感じますか?

ペルーでは、インカ古道を3泊4日かけて登山し、マチュピチュへ。
アラスカでは、空一面を覆う巨大なオーロラに遭遇。
フロリダでは、まだ日本ではほとんど知られていなかった無重力飛行を体験。
視聴者に「いいな!」「すごいな!」「感動した!」「笑った!」と楽しんでもらうために、いろんなことを企画して、実際に体験することが番組という「商品」になる仕事です。

たくさん遊んで、たくさん勉強して、たくさん汗をかいて、たくさん試行錯誤して、ようやく絞り出した番組は、自分の人生の濃厚なひとしずく。
過去に作った番組のことを思い返すと、そのとき感激したことや、悔しかったこと、嬉しかったこと、一緒にがんばった仲間の顔、さまざまな情景が浮かんできます。
だから、大変な思いをすることは多々ありますが、また番組を作りたくなるんだと思います。

― 仕事で一番印象に残った出来事は?

旅番組の仕事でイタリアとスペインをそれぞれ1か月ほどかけて取材しました。触れるものすべてが目新しく、感動の連続でした。
ところが、途中からあまりにも世界のことを知らない自分が恥ずかしく思えてきてしまったのです。
歴史や風景や美術、ワインetc…
付け焼刃の勉強ではとても間に合わないほど奥行が深くて、
見聞きする情報に頭の整理が追い付きません。
そもそも、それらの根底にある宗教のことさえ、失礼ながらほとんど理解しないまま臨んでいたのです。

番組はセンスで作るものではないことを思い知らされた瞬間です。
人様になにかを伝える仕事をしているのだから、日ごろから人一倍努力をして最低限の教養を身に着けておくべきでしょう。
そして好奇心と問題意識をもって知識を蓄えて、自分を高める努力をし続けなければ、制作者として第一線で活躍することはできないことに気づきました。

― ロントラってどんな会社?

心の優しい人が多い会社だと思います。 清潔感のある、感じのいい会社になりたいと思っています。

― テレビ制作会社ならではと感じることは?

服装や働く時間は比較的自由な業界だと思いますが、仕事の進め方や考え方は、一般論が当てはまる、普通の仕事だと思います。

― どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?

いざという時に、自分を信じられる人だと思います。

― 今後、どんな番組を作りたいですか?

宇宙の旅番組

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